出場者:阿部 寺下
はじめに
十傑戦は数ある大会の中で筆者が最も好きな大会である.
理由は会場が京都だから.新幹線で行ける範囲なので融通がきくし,囲碁と京都っていい組み合わせだと思うのだ(?).
博多駅で非常にごく近くの席に九州代表長大のT氏似の人が座った気がしたが,確信が持てないので寝た.
100分後岡山駅で目が覚めてそちらの方向を見ると,やっぱりT氏であった.いやわろた 普通すぐ気づくやろ.
中四国代表のY氏とも合流して前夜祭会場へ向う道中,九大期待のエースである佐藤氏の話で盛り上がった.なんとこの二人は佐藤氏と高校が同じだというのである.昔の話を聞いたが,佐藤氏は高校時代から天才だったようだ.
前夜祭で行われた一回戦のくじ引きの結果,九大勢は二人とも関東代表と当たってしまった.特にてらりゅーの相手は超強豪.さらに周囲の山に優勝候補がゴロゴロと居り,なかなか不憫であった.
1回戦
筆者は星に打たないのがアイデンティティであるほどの古碁好きであるが,この碁は秀策流に似た構えとなり,
隅と辺を仲良く分け合ってまるで御城碁のような布石となった.中盤に差し掛かるあたりの打ち方がまずく悪くしたが,
相手が余計なコウを仕掛けたことで局面が動き逆転.秒読みでヨセがかなり乱れたものの何とか残すことができた.
てらりゅーはたいへんな接戦だったようだが,わずかに足りなかったようだ.
2回戦
九州勢は筆者一人となったのでぜひ頑張りたところ.が,序盤で自らの工夫が空回りして打ちたくないところに何度も打つことになってしまった.
そのあとごちゃごちゃやってみたが負け.近年まれに見る酷い碁だった.
しかしAI的には序盤の時点では敗勢とまではなく,後に悲観したゆえ打ったような手で負けを決めていたらしい.とはいえ,一番の敗着はこの方と当たってしまったことなので仕方あるまい.
9位決定1回戦
お互い一度負けているせいかぽんぽん打ち進めていたところ,気づいたときには四隅と左辺,右辺を全てとっていた.
当然中央は相手の広大な模様である.いざ突入!
相手も妥協せず,生きるか死ぬかの勝負となった.効きを全部打ったところで手が止まる.広いし生きるはず(?)の形だが活き筋が見えない.次の1手に残りの持ち時間2,30分全て使って考えたがわからず,結局お陀仏となった.頭を抱えてただけとは言え,長考自己新記録だと思う.
LeelaZeroも生き筋を示せないので死ぬとこなのだろうか.何にしろ面白い碁だった.負けて暇になった筆者は京都国際マンガミュージアムで優雅な休日を過ごした.
一方てらりゅーは京都観光などなんのその,ボウリングにカラオケ,挙げ句には京大の部室に殴り込んで麻雀を打っていたらしい.充実してるなあ
さいごに
今回の十傑戦で特筆すべきは中四国代表のT氏が3位入賞したことだろう.
地方勢反撃ののろしとなったのか.続きを担うのはてらりゅーであろう.次回に期待である.とにかく,かなり楽しかったと思います.
Conclusion
- 京都の老舗銭湯「桜湯」は最高なのでおすすめ
- 大石の死活が読みきれないときのAI「囲碁は勝ちか負けかの2種類だから勝率50%!」
- 佐藤くんは天才
追記
3局目を並べてみせたときの近藤氏の反応.
「いや生きでしょ.これ生きなかったら碁じゃない.」
「ちょっとまって,生きるから生きです.」
~30分~
「死ということで!✋」
Written by 阿部