はじめに~
3月に入り、今年度も終わりが近づいてきた。先日は一般入試の前期日程も行われるなど、早くも来年の新入生が楽しみな時期である。しかし、新たな九大囲碁部として活動していく前に、どうしても今年度の大学選手権について振り返っておかなければなるまい。
第66回全日本大学囲碁選手権は、2022年12月24日~26日に行われた。結果を先に述べると、九州大学は5位という順位だった。3位入賞を目標としていた我々にとっては、当然悔しい結果である。出場した7人は、多かれ少なかれ苦い記憶が残っているはずだ。本来、この振り返り記事を書くにあたり、7人それぞれに各対戦校(7局)の担当を分担する予定だった。だが、苦い記憶からか筆が進まず、「試験勉強」という名目上の言い訳も相まって、文章を回収できたのは、岡先輩のみとなった。そこで今回は、主に筆者の独断で各対戦別にハイライトを振り返ることとする。計7局分の長い文章になるが、お付き合い願いたい。
オーダーは以下の通りである。
主将:田口洋規(法学部1年)
副将:佐藤弘教(医学部4年)
三将:丸尾龍生(文学部3年、部長)
四将:西村優作(経済学部1年)
五将:日髙陽光(経済学部2年、筆者)
補欠1:岡俊寿(工学部4年)
補欠2:佐溝千裕(工学部1年)
(幹事代理:藤川浩希(工学部2年))
1日目~
開会式を終えた後、金沢大学さんとの初戦を迎えた。お互いの補欠がぶつからないオーダーとなった。筆者は十傑戦の初戦と同じ方だった。結果は、補欠の2人と筆者が勝ち、3勝で初陣を飾ることができた。
続く2回戦は、東北大学さんである。この試合は、四将の西村の結果が大きく勝敗を左右すると予想していた。筆者は隣で見ていたが、序盤の優位を最後まで保ったようだ。ここで、筆者と西村が勝ち、九大の勝ちは手厚いと思っていたが、勝ちを見込んでいた岡さんがかなり渋い形勢となっており、そのまま押し切られて負け、2勝3敗で敗れてしまった。
岡さんはかなり落ち込んでおり、終局後からホテルの部屋まで、ずっと悔しそうにAIを見ていた。筆者や丸尾部長らは、「麻雀ばっかりして、サボってたからだ!」と(心の中で)非難していたが、翌日の岡さんのメンタル回復に期待するほかなかった。
2日目~
2日目最初は、広島大学さんとの対戦である。この試合も四将の西村が鍵であった。序盤で明らかに形勢を損ねており、横で見ていた私も「これは終わったなー」と思っていたのだが、いつのまにか難しい戦いに持ち込み、ついに逆転勝ちした。その結果、3勝2敗となった。ちなみに、西村の出身は広島であることに留意しておこう。
昼休みを挟んで、北海道大学さんとの対局が始まった。ここでは、互いの補欠がぶつかりあった。2人の補欠のうち、一方が勝てれば厚いと予想された。ここで佐溝が見事勝利をおさめ、3勝となった。岡さんも中盤までは優勢に見えたが、いつの間にか負けていた。やはり、前日の負けが響いているのかなと心配になった。なお、田口が主将戦でかなり健闘していた。今大会はこの1局のみとなったが、来年度に期待が持てる内容だった。
そしてこの日の3局目は、東京大学さんである。いよいよここから前年上位校との戦いだ。開始前の戦力差は圧倒的に東大に分があった。筆者の相手も、過去に輝かしい実績を持つ方であり、胸を借りる気持ちで臨んだ。序盤は互角の進行で、中盤に少し優勢を意識する場面もあったが、互いに秒読みに入ってからはシーソーゲームとなった。最後は、相手の勝負強さに軍配が上がり敗北を喫した。筆者の対局が最後だったため、他の4局の結果を把握しておらず、チームの勝敗が自分の対局次第だったことを終局後に知った。まさか、岡さんと佐溝くんが2勝をあげていたとは…。関東や関西の強豪に勝つことは、我々のような地方の大学にとって大きな目標である。自分が勝っていたら…と考えると、情けなくて悔しくてたまらなかった。
最終日~
最終日の初戦は、京都大学さん。筆者は、前日の負けを心身ともに引きずってしまい、序盤で早々に潰れてしまった。チームも0勝で結果は完敗だったが、個々の対局内容は副将の佐藤先輩や3将の佐溝くんをはじめ、かなり頑張っていたようだ。
そして最終戦は名古屋大学さん。この対局に関しては、岡さんが感想をまとめてくれたので、そちらを掲載したい。
今年ラストイヤーの岡です。最終日最後の対戦相手は名古屋大学でした。最終戦において勝てば3位、負けたら5位というのはほとんど決まっていました。昨年に続いて3位を取るチャンスが残っておりメンバー皆気合いを入れて臨みました。オーダーはお互い予想していた通りになったと思っています。名古屋は2.3将、九大は1.2将に補欠投入でした。九大の戦略としては岡か佐溝のどちらかで勝って西村と日高が勝つというものでした。そのため私は相当気合を入れて勝負に臨みました。私で決めてラストイヤーを締めくくりたい、そう強く感じていました。
岡対倉科戦では序盤に相手のミスに気付き追求していき優勢に運ぶことができました。そして、中盤、上辺の黒一帯をおびやかす一手を放ち勝率は90%を超えていました。しかし、私は今までにこのような勝ち確の試合を何度も逃しており気は全く緩まず厳しい手を打ち続けました。最後はなんとか10目半勝つことが出来ました。勝ちが確定した瞬間から本当に嬉しくて天を仰ぎました。チームとしては惜しくも1-4で負けてしまい悔しかったのですがこの選手権最後の一局はとても内容の良い碁で締めくくることができました。
総括~
先述の通り、5位という結果に終わった。それぞれ、「自分があそこで勝てていたら…」という想いはあるはずだ。岡さんが順調に卒業するようなので、残念ながら選手権は今年までとなってしまうが、春には新しく1年生が入ってくる(強い子来ててほしい…)。今年の選手権の課題をもとに、部全体での棋力向上に努め、来年度は必ずリベンジしたい。
長くなってしまいましたが、最後までご拝読頂き、ありがとうございました。今後とも応援よろしくお願いいたします。
Written by サンライト , toshi